「やまみ」がIPO、初値予想は?

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「株式会社やまみ(2820)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年5月13日(金)、株式会社 農業総合研究所(3541)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社やまみ(2820)」で、主幹事はみずほ証券上場日は2016年6月17日(金)を予定しています。

想定価格は1,010円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約4.2億円で、JASDAQスタンダードへの上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社やまみ
銘柄URL http://www.yamami.co.jp/
銘柄コード 2820
上場市場 JASDAQスタンダード
業種 食料品
事業内容 豆腐、厚揚げ、油揚げ等の製造・販売

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 みずほ証券
その他の引受証券会社 野村証券、SMBC日興証券、ひろぎんウツミ屋証券
委託幹事 安藤証券
仮条件決定日 2016年5月27日(金)
ブックビルディング期間 2016年5月31日(火)~2016年6月6日(月)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理すると下記のようになります。プラス・マイナスの数を比較するとプラスが上回ると思います。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) マイナス(約20.7億円、中型)
業種 マイナス(IPOとしては地味な印象)
公開比率 プラス(19.6%、低い)
売出比率 なし(32.7%、特に材料にならない)
ロックアップ プラス(VC不在、上位株主にロックアップ)
同日上場 プラス(同じ日に上場する銘柄なし)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少しており、豆腐等の製造・販売という事業内容はIPOとしては地味な印象。吸収金額(想定価格ベース)の規模感もそこそこあるので、公募割れの可能性もあると思います。

ただ、業績は悪くないですし、ロックアップもしっかりかかっており、私は市況の様子を見つつ、初値売りはしない方向で主幹事のみ抽選に参加してみようかなと今のところ考えています。

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては主幹事のみ参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年6月17日(金)
仮条件決定日 2016年5月27日(金)
ブックビルディング期間 2016年5月31日(火)~2016年6月6日(月)
公開価格決定日 2016年6月7日(火)
申込期間 2016年6月9日(木)~2016年6月14日(火)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 1,690円
仮条件 1,650円~1,690円
公開価格 1,690円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 6,280,000株
公募株数 720,000株
売出株数 350,000株
オーバーアロットメント株数 160,500株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 山名 清(200,000株)、山名 睦子(150,000株)
公開比率 19.6%
売出比率 32.7%
時価総額(想定価格ベース) 約106.1億円
時価総額(公開価格ベース) 約106.1億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 164.76
1株あたり利益(予想) 149.38
PER(予想・想定価格ベース) 11.3
PER(予想・公開価格ベース) 11.3
1株あたり純資産(前期) 307.07
PBR(前期・想定価格ベース) 5.5
PBR(前期・公開価格ベース) 5.5
1株あたり配当(予想) 10
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.59%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.59%

企業情報

事業内容/詳細

豆腐等製造販売事業を展開。セグメントは単一セグメント。

本社工場(広島県三原市)、関西工場(滋賀県甲賀市)で豆腐、厚揚げ、油揚げ等を製造し、小売業や卸売業へ販売しているとのこと。

販売地域は、九州~東海で、特に拠点(工場)のある中国地方での販売量が多く、また、関西工場稼働により関西地方でも販売量が増加しているそうです。

強みとして、機械化・自動化によって衛生面で高いレベルの製造が可能な点、素早く大量生産出来る設備があるので製造単価を下げることが可能で価格競争力がある点を挙げています。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社やまみ|EDINET

当社は、豆腐及びその関連製品である厚揚げ、油揚げ等の製造、販売を行う豆腐等製造販売事業を主たる事業としております。

当社では、大豆、フィルム、トレイ、副資材(にがり等)を仕入れ、本社工場及び関西工場の各ラインにおいて、様々なサイズの豆腐、厚揚げ、油揚げ等を製造し、小売業、卸売業に対して製品を販売しております。

製品の販売地域は、九州地方から東海地方までの広域に渡りますが、特に広島県三原市に本社工場があることから中国地方での販売量が多く、また平成24年8月に滋賀県甲賀市に設置した関西工場が稼動したことから、関西地方での販売量が増加しております。

当社事業の特長といたしましては、①機械化により作業員の手の触れる部分の限定、一部ラインの完全自動化及び機械による加熱冷却殺菌等により、衛生面で高いレベルの製品製造が可能であること、②短時間で大量生産が可能なラインを導入することにより個当たりの製造単価を引き下げ、価格競争力のある製品製造を行っていることが挙げられます。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長 山名 清
本店所在地 広島県三原市沼田西町小原字袖掛73番5号
設立年月日 1975年1月29日
監査法人 新日本有限責任監査法人
従業員数 158人(平均臨時雇用者数148人)
平均年齢 36.5歳
平均勤続年数 3.7年
平均年間給与 396.1万円

業績

売上は右肩上がり。経常利益は横ばいといった感じですが、今期は急激に伸びています。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
みずほ証券(主幹事) 909,500株 85.00%
野村證券 107,000株 10.00%
SMBC日興証券 42,800株 4.00%
ひろぎんウツミ屋証券 10,700株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託に回すとのこと。委託幹事は私の知っている範囲では安藤証券です。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(90日or1.5倍)がかかっており、非ロックアップ株数は概算でわずか48,800株(上場時発行済株数の0.78%)。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が19.6%なので、79.63%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

ロックアップがかかっていないのは、やまみ従業員持株会1つのみ。わずか48,800株(上場時発行済株数の0.78%)なので、大きな影響はないでしょう。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、1.5倍になるまでは、気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
(株)YMコーポレーション 2,402,000株 43.20% 90日or1.5倍
山名 徹 1,200,000株 21.58% 90日or1.5倍
山名 清 1,109,600株 19.96% 90日or1.5倍
山名 睦子 709,600株 12.76% 90日or1.5倍
やまみ従業員持株会 48,800株 0.88%
山名 昭典 40,000株 0.72% 90日or1.5倍
城本 浩司 20,000株 0.36% 90日or1.5倍
池田 隆幸 20,000株 0.36% 90日or1.5倍
土橋 一仁 8,000株 0.14% 90日or1.5倍
林 辰男 2,000株 0.04% 90日or1.5倍

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性もあると思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。地味な事業内容であまり人気化しそうにないと思うので、下限の約2.5億円で見ておいた方が良さそう。

売上は毎年きっちり伸ばしており、ロックアップもしっかりかかっていますが、初値の高騰は期待薄じゃないでしょうか。

市況が悪い方に転がれば、公募割れというのもあると思います。ただ、業績は悪くありませんし、公開価格を大きく下回る可能性はそこまで高くないような気が。私は市況の様子を見つつ、初値売りはしない方向で主幹事のみ抽選に参加してみようかなと今のところ考えています。

吸収金額(想定価格ベース) 約20.7億円
吸収金額(公開価格ベース) 約20.7億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約21.6億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約21.6億円
非ロックアップ比率(概算)*3 0.78%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては主幹事のみ参加の予定です。

初値予想(承認時) 0.8倍~1.2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 0.8倍~1.2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) 主幹事のみ参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 主幹事のみ参加

抽選結果

補欠でした。購入のタイミングは他がかなり重複しているので、資金拘束されるのはもったいないとの判断で補欠抽選への参加は見送ります。

上場結果

2016年6月17日(金)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は1,750円(225,800株の気配)くらい。公開価格が1,690円ですので、約1.03倍。金額にすると約3.9億円の買い需要。初日の上限3,890円は遠いですが、公募割れはなさそうです。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは1,690円に167,300株の売り気配。公募割れ回避には約2.8億円が必要だったということになりますが、これは問題なしでした。

そして、市場が開いてすぐ9:06に初値がつきました。初値は1,751円。公開価格比で約1.03倍。初値形成時の出来高は273,000株で、約4.7億円の買い需要が発生。朝の気配と同じくらいですね。

値がついた後の値動きはというと、初値直後9:07に最高値(1,790円)をつけた以降は軟調に。ずるずる値を下げ終盤14:46には1,561円の最安値をつけます。で、結局ほぼ最安値のまま終値(1,563円)。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 1,751円(公開価格比:約1.03倍)
終値(初値の当日) 1,563円
高値(初値の当日) 1,751円
安値(初値の当日) 1,561円
出来高(初値時ティック) 273,000株
出来高(初値の当日) 885,500株
初売比率(公募・売出ベース)*4 22.19%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 21.34%
買い需要(初値形成時) 約4.7億円
売買代金(初値の当日) 約15.0億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算