「富山第一銀行」がIPO、初値予想は?

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「株式会社富山第一銀行(7184)」の東証への新規上場が承認されました。予定される上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずは概要だけ、ざっくりまとめ。

2016年2月12日(金)、富士ソフトサービスビューロ株式会社(6188)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社富山第一銀行(7184)」で、上場日は2016年3月15日(火)を予定しています。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

銘柄名 株式会社富山第一銀行
銘柄URL https://www.first-bank.co.jp/
銘柄コード 7184
上場市場 東証一部
業種 銀行業
事業内容 銀行業

幹事団や仮条件、BBの日程は?

幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 大和証券
その他の引受証券会社 みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBCフレンド証券、岩井コスモ証券、SBI証券、マネックス証券、東海東京証券、岡三証券、今村証券
委託幹事 カブドットコム証券、松井証券
仮条件決定日 2016年2月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年2月29日(月)~2016年3月4日(金)

初値形成における好材料/悪材料は?

想定価格は590円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約38.3億円で、東証一部への上場となります。初値形成における好材料/悪材料を整理すると下記のようになります。マイナスが多く、悪材料が上回ると思います。

上場市場 なし(特に材料にならない)
吸収金額(想定価格ベース) マイナス(約38.3億円、小型)
業種 マイナス(マイナス金利下で弱体化が懸念される地銀)
公開比率 プラス(9.8%、低い)
売出比率 プラス(0%、売出なし)
ロックアップ マイナス(半数以上の株にロックアップ無し)
同日上場 マイナス(3社同日上場)
前回IPOからの期間 マイナス(毎日IPOのある週)

2016年は年初から市況がかなり悪化しており、東証一部にしては小型とはいえ、約38.3億円の規模は厳しい。470円まで20%程度も大幅に公開価格を下げ、公開価格ベースでは約30.5億円という吸収規模まで収縮してきましたが、ロックアップがかかっていない株式が50%以上あり、やはり難しい状況が続くでしょう。さらに同日上場3社という悪条件も重なってしまいましたので、初値が高騰する可能性は低いと思います。むしろ公募割れのリスクも考えるべきかと。初値は公開価格の0.8~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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日程・スケジュール

上場日 2016年3月15日(火)
仮条件決定日 2016年2月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年2月29日(月)~2016年3月4日(金)
公開価格決定日 2016年3月7日(月)
申込期間 2016年3月8日(火)~2016年3月11日(金)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 590円
仮条件 440円~470円
公開価格 470円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 66,469,700株
公募株数 5,660,000株
売出株数 0株
オーバーアロットメント株数 840,000株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 なし
公開比率 9.8%
売出比率 0.0%
時価総額(想定価格ベース) 約392.1億円
時価総額(公開価格ベース) 約312.4億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 71.62
1株あたり利益(予想) 82.46
PER(予想・想定価格ベース) 7.2
PER(予想・公開価格ベース) 5.7
1株あたり純資産(前期) 1,586.24
PBR(前期・想定価格ベース) 0.4
PBR(前期・公開価格ベース) 0.3
1株あたり配当(予想) 14.0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 2.37%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 2.98%

企業情報

事業内容/詳細

名前の通り富山県富山市に本店がある第二地方銀行で、子会社が4社あり、銀行業務を中心にリース業務等の金融サービスを展開。2016年1月末現在、富山県に56店、石川県に3店、岐阜県に2店、新潟県に3店、東京都に1店、大阪府に1店のネットワークを抱えています。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社富山第一銀行|EDINET

当行及び当行の関係会社は、当行及び子会社4社で構成され、銀行業務を中心に、リース業務等の金融サービスを提供しております。当行及び当行の関係会社の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。

〔銀行業〕
当行の本店ほか支店・出張所65店においては、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務、商品有価証券売買業務等を行い、お客様へのサービスの向上に積極的に取組んでおり、当行グループにおける中心的業務と位置づけております。

また、連結子会社富山ファースト・ビジネス株式会社も銀行事務代行業務等の銀行業を展開しております。

〔リース業〕
連結子会社富山ファースト・リース株式会社においては、リース業務を展開しております。

〔その他〕
連結子会社富山ファースト・ディーシー株式会社においては、クレジット業務、信用保証業務等の事業を展開しております。

また、連結子会社株式会社富山ファイナンスにおいては、金銭の貸付業務等の事業を展開しております。

同じ第二地方銀行としては、株式会社島根銀行(7150)が2011年2月24日(木)に上場しており、この際は初値が公開価格の1.22倍の上昇となりましたが、規模は約5.6億円と小さいものでした。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 取締役頭取 横田 格
本店所在地 富山県富山市西町5番1号
設立年月日 1944年10月1日
監査法人 新日本有限責任監査法人
従業員数 718人(平均臨時雇用者数137人)
平均年齢 38.1歳
平均勤続年数 16.0年
平均年間給与 626.3万円

業績

売上・経常利益は連結では上昇傾向です。単体だとここ2~3年以外はぱっとしない印象。

四季報が予想する業績予想の記事はこちら

幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
大和證券(主幹事) 3,396,000株 60.00%
みずほ証券 962,200株 17.00%
SMBC日興証券 905,600株 16.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 84,900株 1.50%
SMBCフレンド証券 56,600株 1.00%
岩井コスモ証券 56,600株 1.00%
SBI証券 56,600株 1.00%
マネックス証券 56,600株 1.00%
東海東京証券 28,300株 0.50%
岡三証券 28,300株 0.50%
今村証券 28,300株 0.50%

上記引受株式数のうち、2,000株を上限として委託に回るとのこと。私の知る限りでは、委託幹事はカブドットコム証券、松井証券です。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主へのロックアップ(90日)は半分に満たず、非ロックアップ株数は概算で29,846,499株(上場時発行済株数の44.90%)。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が9.8%なので、45.32%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

以上、総合的に考えて、もし売るなら結果的に安い水準で売ることになるような気がしますが、初値形成時に既存株主から大きな売りが出る可能性も想定に入れておいた方が良さそうです。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
株式会社みずほ銀行 1,987,000株 3.26% 180日
株式会社北陸銀行 1,941,000株 3.19% 180日
日本生命保険相互会社 1,871,000株 3.07% 180日
株式会社福井銀行 1,788,000株 2.94% 180日
東京海上日動火災保険株式会社 1,541,000株 2.53% 180日
三井住友海上火災保険株式会社 1,409,000株 2.31% 180日
株式会社三井住友銀行 1,237,000株 2.03% 180日
株式会社北國銀行 1,046,000株 1.72% 180日
株式会社インテック 1,000,000株 1.64% 180日
住友生命保険相互会社 960,000株 1.57% 180日

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性もあると思います。市況が悪化した2016年最初の東証一部上場ということで、ちょっと様子見したい感じです。

吸収金額(想定価格ベース) 約38.3億円
吸収金額(公開価格ベース) 約30.5億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約214.4億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約170.8億円
非ロックアップ比率(概算)*3 44.90%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の0.8~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

初値予想(承認時) 0.8~1.2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 0.8~1.2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) SBI証券のみ参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) SBI証券のみ参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年3月15日(火)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は500円(1,510,100株の気配)くらい。公開価格が470円ですので、約1.06倍。金額にすると約7.5億円の買い需要。想定価格の590円を公開価格で470円まで引き下げた効果が出ましたね。公募割れは回避しそう。

前場が開くと9時ちょい過ぎに見たところでは470円に3,475,800株の買い気配で、約16.3億円。一気に買いが集まってきました。初日の上限1,081円はかなり遠いですが、公募割れは回避。

そして、市場が開いてすぐ、9:13に初値がつきます。初値は500円。公開価格比で約1.06倍。初値形成時の出来高は1,940,300株で、約9.7億円の買い需要が発生。あれ?だいぶ買いが減りました。まぁでも、この悪条件下で公募割れを回避したので、主幹事である大和證券の誠意がかなり効きましたかね。

初値がついた後の値動きはというと、はじめは9:13に最高値(504円)をつける局面もありましたが、ほどなく下落。どんどん値を下げ、475円近辺で膠着が続きます。午後、13:19に471円の最安値をつけ、結局、少しだけ上げた476円が終値に。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 500円(公開価格比:約1.06倍)
終値(初値の当日) 476円
高値(初値の当日) 504円
安値(初値の当日) 471円
出来高(初値時ティック) 1,940,300株
出来高(初値の当日) 5,341,700株
初売比率(公募・売出ベース)*4 29.85%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 5.34%
買い需要(初値形成時) 約9.7億円
売買代金(初値の当日) 約26.1億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算