「ソラスト」がIPO、初値予想は?

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「株式会社ソラスト(6197)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年5月20日(金)、バーチャレクス・コンサルティング株式会社(6193)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社ソラスト(6197)」で、主幹事はSMBC日興証券上場日は2016年6月29日(水)を予定しています。

想定価格は1,270円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約143.6億円で、東証一部への上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社ソラスト
銘柄URL http://www.solasto.co.jp/
銘柄コード 6197
上場市場 東証一部
業種 サービス業
事業内容 医療関連受託事業、介護・保育事業

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 SMBC日興証券
その他の引受証券会社 野村証券、みずほ証券、大和証券、いちよし証券、岩井コスモ証券、SBI証券、マネックス証券
委託幹事 松井証券
仮条件決定日 2016年6月13日(月)
ブックビルディング期間 2016年6月14日(火)~2016年6月20日(月)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理したものが下記。プラス・マイナスの数を比較するとマイナスが上回ると思います。

上場市場 なし(特に材料にならない)
吸収金額(想定価格ベース) マイナス(約143.6億円、大型)
業種 プラス(テーマ性あり)
公開比率 マイナス(40.0%、高い)
売出比率 マイナス(100.0%、売出のみ)
ロックアップ プラス(上位株主にロックアップ)
同日上場 マイナス(2社同日上場)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少しており、総合的に見て公募割れする可能性があると思います。

まず、カーライル・グループ(本社:米国ワシントンD.C.)の支援のもと、マネジメント・バイ・アウト(MBO)を目的に設立されたエヌ・シー・ホールディングス株式会社が平成24年2月に完全子会社化。それに伴い東証二部の上場を廃止した経緯があると。で、状況が整ったので再上場しますよという話のようです。

公開比率が40.0%で高く、公募なしの売出比率が100%。で、エヌ・シー・ホールディングス株式会社からの売出のみ。あまり個人投資家に好かれる案件では無いだろうなと思います。

需給面ではロックアップも概ねかかってますが、吸収金額(想定価格ベース)で約143.6億円ということで規模が大きい。介護や保育といったテーマはありますが、この規模だとさすがに初値の高騰は期待しづらいのではないでしょうか。

更に悪いことに、吸収金額(想定価格ベース)が約601.7億円で大規模なコメダ珈琲のコメダホールディングス(3543)と同日上場となってしまいました。需給の悪化は避けられないと思います。

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年6月29日(水)
仮条件決定日 2016年6月13日(月)
ブックビルディング期間 2016年6月14日(火)~2016年6月20日(月)
公開価格決定日 2016年6月21日(火)
申込期間 2016年6月22日(水)~2016年6月27日(月)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 1,270円
仮条件 1,270円~1,400円
公開価格 1,300円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 28,270,200株
公募株数 0株
売出株数 9,835,000株
オーバーアロットメント株数 1,475,000株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 シージェイピー・エヌ・シー・ホールディングス・エル・ピー(9,835,000株)
公開比率 40.0%
売出比率 100.0%
時価総額(想定価格ベース) 約359.0億円
時価総額(公開価格ベース) 約367.5億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 51.35
1株あたり利益(予想) 81.82
PER(予想・想定価格ベース) 15.5
PER(予想・公開価格ベース) 15.9
1株あたり純資産(前期) 303.66
PBR(前期・想定価格ベース) 4.2
PBR(前期・公開価格ベース) 4.3
1株あたり配当(予想) 41
配当利回り(予想・想定価格ベース) 3.23%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 3.15%

企業情報

事業内容/詳細

医療関連受託事業、介護・保育事業及びその他事業。セグメントはこの3つ。

医療関連受託事業は、1,500以上の医療機関を対象として医療事務関連業務、医事周辺業務、病院経営支援業務等を、業務受託及び人材派遣という形で実施。

介護・保育事業は、訪問介護(ホームヘルプサービス)、通所介護(デイサービス)、居宅介護支援、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、短期入所生活介護(ショートステイ)、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)、都市型軽費老人ホーム(ケアハウス)、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護、訪問看護、福祉用具貸与・販売等の介護サービス及び保育サービスを提供。

その他事業は、企業・団体顧客・個人向け医療事務関連講座、介護関連講座等の教育・トレーニングの提供及びそれらに関係する技能認定試験業務を行っているとのこと。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社ソラスト|EDINET

当社グループは、当社(株式会社ソラスト)及び連結子会社2社(株式会社技能認定振興協会及び株式会社ハンズマム)により構成されており、医療関連受託事業、介護・保育事業及びその他事業を展開しております。

当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

(1)医療関連受託事業
当社は、1,500以上の医療機関を対象に医療事務関連業務、医事周辺業務、病院経営支援業務等を、業務受託及び人材派遣によって行っております。

(2)介護・保育事業
当社グループにおいて、訪問介護(ホームヘルプサービス)、通所介護(デイサービス)、居宅介護支援、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、短期入所生活介護(ショートステイ)、特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)、都市型軽費老人ホーム(ケアハウス)、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護、訪問看護、福祉用具貸与・販売等の介護サービス及び保育サービスの提供を行っております。

(3)その他
当社グループは、企業・団体顧客・個人向け医療事務関連講座、介護関連講座等の教育・トレーニングの提供及びそれらに係る技能認定試験業務を行っております。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長 石川 泰彦
本店所在地 東京都港区港南一丁目7番18号
設立年月日 1968年10月2日
監査法人 有限責任 あずさ監査法人
従業員数 13,709人(平均臨時雇用者数11,314人)
平均年齢 41.9歳
平均勤続年数 11.9年
平均年間給与 519.1万円

業績

単体・連結ベースともに売上はほぼ横ばい、経常利益が良かったり悪かったりといった印象。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
SMBC日興証券(主幹事) 6,393,100株 65.00%
野村証券 2,065,300株 21.00%
みずほ証券 491,700株 5.00%
大和証券 491,700株 5.00%
いちよし証券 98,300株 1.00%
岩井コスモ証券 98,300株 1.00%
SBI証券 98,300株 1.00%
マネックス証券 98,300株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託に回すとのこと。委託幹事は私の知っている範囲では松井証券です。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(180日)がかかっており、また、継続所有等の確約をとっているものもありますので、非ロックアップ株数は概算でわずか60,000株(上場時発行済株数の0.21%)。

1.5倍で解除もなく、万遍なくロックアップがかかっています。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
シージェイピー・エヌ・シー・ホールディングス・エル・ピー 14,136,300株 44.57% 180日
大東建託株式会社 10,601,700株 33.43% 180日
東邦ホールディングス株式会社 1,413,600株 4.46% 180日
荒井 純一 1,080,000株 3.41% 180日
インフォコム株式会社 848,400株 2.68% 180日
ソラスト従業員持株会 598,200株 1.89% 180日
石川 泰彦 462,000株 1.46% 180日
佐藤 優治 372,000株 1.17% 180日
岡崎 くみ子 186,000株 0.59% 180日
森岡 伸吉 162,000株 0.51% 180日
古屋 康夫 162,000株 0.51% 180日

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性はあると思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。が、まぁこれは全くあてにならないほどの規模ですね。

吸収金額(想定価格ベース)が約143.6億円という規模だと、買いの資金がかなり入る必要があり、やはり初値の高騰は望みづらい状況かと。市況の悪化などがあれば最悪公募割れ、ということもあり得るのではないでしょうか。

吸収金額(想定価格ベース) 約143.6億円
吸収金額(公開価格ベース) 約147.0億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約144.3億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約147.8億円
非ロックアップ比率(概算)*3 0.21%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

初値予想(承認時) 0.8倍~1.2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 0.8倍~1.2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) SBI証券のみ参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) SBI証券のみ参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年6月29日(水)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は1,222円(1,839,000株の気配)くらい。公開価格が1,300円ですので、約0.94倍。金額にすると約22.4億円の買い需要。初日の下限975円には大分あるものの、公募割れ濃厚な気配。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは1,300円に1,343,600株の売り気配で特売り。公募割れ回避には約17.4億円が必要だったということになりますが、残念ながらクリアできず。

そして、市場がはじまり9:09に初値がつきます。初値は1,222円。公開価格比で約0.94倍。初値形成時の出来高は1,497,200株で、約18.2億円の買い需要が発生。

気配では約22.4億円の買い需要で公募割れしないはずですが、証券会社の引受価格が1,222円なので幹事証券会社の買い支えが入ったと思われます。実需要はもっと少なかったはず。

9:00ちょい過ぎの買い気配が1,300円に286,900株ですから、朝の1,222円の1,839,000株の気配からすると大多数1,552,100株は1,300円以下の買い。初値形成時の出来高は1,497,200株でオーバーアロットメントは1,475,000株なので、OA全て1,222円に投入したと仮定して約18.0億円。さすがに全投入仮定だと0.2億円の実需になっちゃいますね、それはないか。では、9:00ちょい過ぎの買い気配286,900株が残ったと仮定して、約3.5億円が実需の規模感とした方がまだ近いですかねぇ。板きっちり見ておけば良かった。

値がついた後の値動きはというと、初値直後9:09に最高値(1,227円)をつけた後、一気に値を下げ9:23には最安値(1,060円)に。その後少し盛り返したものの軟調が続きます。最終的に1,091円が終値となりました。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 1,222円(公開価格比:約0.94倍)
終値(初値の当日) 1,091円
高値(初値の当日) 1,227円
安値(初値の当日) 1,060円
出来高(初値時ティック) 1,497,200株
出来高(初値の当日) 3,663,600株
初売比率(公募・売出ベース)*4 13.24%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 13.17%
買い需要(初値形成時) 約18.2億円
売買代金(初値の当日) 約42.5億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算