「KHネオケム」がIPO、初値予想など情報まとめ

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KHネオケム株式会社(4189)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年9月7日(水)、株式会社キャピタル・アセット・プランニング(3474)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「KHネオケム株式会社(4189)」で、主幹事はみずほ証券上場日は2016年10月12日(水)を予定しています。

想定価格は1,670円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約507.2億円で、東証一部への上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 KHネオケム株式会社
銘柄URL http://www.khneochem.co.jp/
銘柄コード 4189
上場市場 東証一部
業種 化学
事業内容 溶剤、可塑剤原料、冷凍機油原料等各種化学品の製造、販売

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 みずほ証券
その他の引受証券会社 SMBC日興証券、大和証券、野村証券、SBI証券
委託幹事 マネックス証券、安藤証券
仮条件決定日 2016年9月21日(水)
ブックビルディング期間 2016年9月23日(金)~2016年9月29日(木)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理したものが下記。プラス・マイナスの数を比較するとマイナスが上回ると思います。

上場市場 なし(特に材料にならない)
吸収金額(想定価格ベース) マイナス(約507.2億円、大型)
業種 なし(特に材料にならない)
公開比率 マイナス(82.9%、高い)
売出比率 マイナス(90.1%、売出が多い)
ロックアップ プラス(上位株主、VCにロックアップ)
同日上場 プラス(同じ日に上場する銘柄なし)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少しており、総合的に見て公募割れする可能性があると思います。

協和発酵ケミカル株式会社が2012年に商号を変更してKHネオケム株式会社になったということだそうで。

最大のネックは吸収金額(想定価格ベース)が約507.2億円と超大型な点。さらに売出人にベンチャーキャピタル・ファンド系がずらり。公開比率も82.9%と高く、売出比率が90.1%と売出が多数を占め、ファンドのEXIT案件との印象がぬぐえず、個人的には初値に関してはネガティブな印象です。

最近だと公募割れ(公開価格比0.93倍)したベイカレント・コンサルティング(6532)と似てますね、あそこまで割高感はない気もしますが…。

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年10月12日(水)
仮条件決定日 2016年9月21日(水)
ブックビルディング期間 2016年9月23日(金)~2016年9月29日(木)
公開価格決定日 2016年9月30日(金)
申込期間 2016年10月3日(月)~2016年10月6日(木)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 1,670円
仮条件 1,330円~1,670円
公開価格 1,380円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 36,664,400株
公募株数 2,614,400株
売出株数 23,800,000株
オーバーアロットメント株数 3,962,100株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 ケイジェイ投資事業有限責任組合(7,629,900株)、Shepherds Hill Capital Partners(5,889,200株)、日本産業第三号投資事業有限責任組合(4,612,600株)、Manaslu Fund, L.P.(3,410,400株)、Sonora Fund, L.P.(2,257,900株)
公開比率 82.9%
売出比率 90.1%
時価総額(想定価格ベース) 約612.2億円
時価総額(公開価格ベース) 約505.9億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 226.56
1株あたり利益(予想) 147.27
PER(予想・想定価格ベース) 11.3
PER(予想・公開価格ベース) 9.4
1株あたり純資産(前期) 516.68
PBR(前期・想定価格ベース) 3.2
PBR(前期・公開価格ベース) 2.7
1株あたり配当(予想) 46.5
配当利回り(予想・想定価格ベース) 2.78%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 3.37%

企業情報

事業内容/詳細

各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務とする化学品事業を展開。セグメントは単一セグメント。

参照有価証券届出書(新規公開時)|KHネオケム株式会社|EDINET
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(KHネオケム株式会社)、子会社6社及び関連会社2社(平成28年7月31日現在)により構成されており、各種石油化学製品の製造・販売を主たる業務としております。「オキソ技術」と呼ばれる製造方法をコア技術として、さまざまな産業分野に特色ある化学製品を提供し、新たな可能性を生み出すべく挑戦を続けています。オキソ技術とはオレフィン(注1)を原料にアルコールや有機酸(注2)の原料となる「アルデヒド」(注3)と呼ばれる化合物を製造するものです。当社グループは昭和45年にオキソ技術によるアルデヒドの大量生産に成功して以来、生産品目及び生産能力、安定供給体制の充実を図り、溶剤(注4)や可塑剤原料(注5)、機能性材料等の多様な製品群を国内外のユーザーに供給しうるように努めております。

(注)
1.オレフィンとは
分子内にひとつの二重結合を持つ鎖状炭化水素の総称です。石油化学基礎製品であるエチレン、プロピレン等がこれに含まれます。

2.有機酸とは
酸の性質を持つ有機化合物の総称です。酢酸、酒石酸などカルボン酸に分類される有機酸が古くから日常生活や生産活動に使われています。当社のイソノナン酸やオクチル酸もカルボン酸の一種です。

3.アルデヒドとは
アルコールから水素を1つ除いたアルデヒド基をもつ有機化合物の総称です。たとえば、お酒(エタノール)を飲み過ぎると血中のアセトアルデヒドの濃度が高くなり、二日酔いの原因になります。逆に、アルデヒドに水素添加するとアルコールになります。当社のブタノールはブチルアルデヒドに水素添加して作られています。また、アルデヒドが酸化するとカルボン酸になります。

4.溶剤(ようざい)とは
樹脂や医農薬等の原料などを溶かすものです。塗料の樹脂、インキの樹脂、電子材料の樹脂、医農薬などとして使用され、最終需要分野は住宅・自動車(塗料)、印刷(インキ)、液晶・半導体(電子材料用樹脂)、医農薬等です。

5.可塑剤(かそざい)とは
塩化ビニル樹脂等に柔軟性を与える添加剤です。主に塩化ビニル樹脂に添加して使用され、最終需要分野は電線被覆材、壁紙・床材・農業用温室ビニル・自動車コーティング材等です。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長  浅井 惠一
本店所在地 東京都中央区日本橋本町一丁目6番5号
設立年月日 2010年12月8日
監査法人 有限責任監査法人トーマツ
従業員数 606人(平均臨時雇用者数は記載なし)
平均年齢 39.7歳
平均勤続年数 14.9年
平均年間給与 683.7万円

業績

売上・経常利益など業績は以下の通り。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
みずほ証券(主幹事) 23,773,100株 90.00%
SMBC日興証券 792,400株 3.00%
大和証券 792,400株 3.00%
野村証券 792,400株 3.00%
SBI証券 264,100株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託幹事(上記以外の証券会社)に回すとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(90日or1.5倍、180日)がかかっており、非ロックアップ株数は概算で0株(上場時発行済株数の0.00%)。

非ロックアップ株数は、売出・新株予約権による潜在株式数は除外しました。ベンチャーキャピタル・ファンド系は軒並み1.5倍で解除条件有りですね。1.5倍超えたら売ってくると思います。

以上、総合的に考えて、既存株主からの初値形成時の売りは、1.5倍になるまでは気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
ケイジェイ投資事業有限責任組合 10,900,000株 31.56% 90日or1.5倍
Shepherds Hill Capital Partners 8,413,100株 24.36% 90日or1.5倍
日本産業第三号投資事業有限責任組合 6,589,400株 19.08% 90日or1.5倍
Manaslu Fund, L.P. 4,872,000株 14.11% 90日or1.5倍
Sonora Fund, L.P. 3,225,500株 9.34% 90日or1.5倍
浅井惠一 535,000株 1.55% 180日

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性があると思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。しかし、まぁこれは全くあてにならない規模。

吸収金額(想定価格ベース)が約507.2億円という規模だと、買いの資金がかなり入ってこないとですし、少なくとも初値の高騰は期待薄かと。公募割れ回避で御の字だと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約507.2億円
吸収金額(公開価格ベース) 約419.1億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約507.2億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約419.1億円
非ロックアップ比率(概算)*3 0.00%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の0.8倍~1.2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしてはSBI証券のみ参加の予定です。

初値予想(承認時) 0.8倍~1.2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 0.8倍~1.2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) SBI証券のみ参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) SBI証券のみ参加

抽選結果

SBI証券で補欠当選でしたが辞退しました。

上場結果

2016年10月12日(水)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は1,306円(4,236,900株の気配)くらい。公開価格が1,380円ですので、約0.95倍。金額にすると約55.3億円の買い需要。初日の下限1,035円まではいかなそうですが、公開価格は下回っています。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは1,380円に895,600株の売り気配。公募割れ回避には約12.3億円が必要だったということになります。気配の買い需要は約55.3億円ですが、オーバーアロットメントの買い支えが3,962,100株入ったと仮定すると、実際の需要は約3.5億円ほどになる訳で、これでは供給過多となり、公募割れに至ったということのようです。

そして、市場がはじまり9:09に初値がつきます。初値は1,306円。公開価格比で約0.95倍。初値形成時の出来高は1,147,400株で、約14.9億円の買い需要が発生。ただ、この需要にもオーバーアロットメントの買い支えが含まれる訳で、あまりあてになる数字ではありません。初値形成時の出来高を見るとOAは使い切ってないように思います。

値がついた後の値動きは下記の通り。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 1,306円(公開価格比:約0.95倍)
終値(初値の当日) 1,250円
高値(初値の当日) 1,332円
安値(初値の当日) 1,202円
出来高(初値時ティック) 1,147,400株
出来高(初値の当日) 4,431,300株
初売比率(公募・売出ベース)*4 3.78%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 3.78%
買い需要(初値形成時) 約14.9億円
売買代金(初値の当日) 約56.2億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算