「カナミックネットワーク」がIPO、初値予想など情報まとめ

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「株式会社カナミックネットワーク(3939)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年8月10日(水)、株式会社デジタルアイデンティティ(6533)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社カナミックネットワーク(3939)」で、主幹事は野村証券上場日は2016年9月14日(水)を予定しています。

想定価格は2,760円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約6.9億円で、東証マザーズへの上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社カナミックネットワーク
銘柄URL http://www.kanamic.net/
銘柄コード 3939
上場市場 東証マザーズ
業種 情報・通信業
事業内容 医療・介護分野に特化したクラウドサービス事業及びそれに付随するサービス

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 野村証券
その他の引受証券会社 みずほ証券、SBI証券、岩井コスモ証券、東海東京証券、いちよし証券、岡三証券
委託幹事
仮条件決定日 2016年8月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年8月29日(月)~2016年9月2日(金)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理したものが下記。プラス・マイナスの数を比較するとプラスが上回ると思います。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) プラス(約6.9億円、小型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系、テーマ性あり)
公開比率 なし(21.9%、普通)
売出比率 マイナス(75.5%、やや売出が多い)
ロックアップ プラス(VC不在、上位株主にロックアップ)
同日上場 マイナス(3社同日上場)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少していますが、総合的に見て公募割れする可能性は低いと思います。

吸収金額(想定価格ベース)は約6.9億円と小型で、VC不在、上位株主にロックアップと需給面は良好。IT・ネット系、しかも介護・クラウドとテーマ性もあり、人気を集めそうですね。

問題は3社同日上場という点ですが、他も株式会社デジタルアイデンティティ(6533)が約6.3億円、株式会社串カツ田中(3547)が約15.0億円とそこまで巨大なのがいないので、影響はある程度抑えられるのではないでしょうか。

私は3社の中では正直ここが一番欲しいです。

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年9月14日(水)
仮条件決定日 2016年8月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年8月29日(月)~2016年9月2日(金)
公開価格決定日 2016年9月5日(月)
申込期間 2016年9月6日(火)~2016年9月9日(金)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 2,760円
仮条件 2,760円~3,000円
公開価格 3,000円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 1,154,000株
公募株数 54,000株
売出株数 166,000株
オーバーアロットメント株数 33,000株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 川西 京也(45,000株)、株式会社まちづくり三鷹(20,000株)、山本 拓真(17,500株)、山本 稔(17,500株)、山本 洋子(17,500株)、山本 景士(17,500株)、澤田 秀雄(10,000株)、田中 最代治(5,000株)、荘司 由香子(5,000株)、井川 幸広(5,000株)、吉田 俊明(2,500株)、倉垣 光孝(2,500株)、若山 健彦(1,000株)
公開比率 21.9%
売出比率 75.5%
時価総額(想定価格ベース) 約31.8億円
時価総額(公開価格ベース) 約34.6億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 146.66
1株あたり利益(予想) 147.20
PER(予想・想定価格ベース) 18.8
PER(予想・公開価格ベース) 20.4
1株あたり純資産(前期) 308.73
PBR(前期・想定価格ベース) 8.9
PBR(前期・公開価格ベース) 9.7
1株あたり配当(予想) 0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

医療・介護分野における情報共有プラットフォームの構築を目的とする事業を展開。セグメントは単一セグメント。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社カナミックネットワーク|EDINET

当社は、「超高齢社会(注1)の地域包括ケア(注2)をクラウドで支える」という経営理念のもと、医療・介護・健康情報等を、法人・職種の枠を越えてリアルタイムに「情報共有」+「コミュニケーション」+「利活用」ができるICT(注3)プラットフォームを提供することで、患者・家族がより質の高い医療・介護サービスを受けられることを目指して事業を展開しております。

平成27年版内閣府高齢社会白書によれば、わが国は現在、世界一高齢化率の高い国になっており、これからのわが国の社会保障制度の状況を見ると、高齢化がピークを迎える2025~2030年には、人口ボリュームの大きい団塊の世代が要介護認定率の高くなる75歳以降に差し掛かってくるため、医療及び介護にかかる費用が膨大になることが大きな課題となっております。更に中長期的な政策として安倍晋三首相が新三本の矢として打ち出した「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という目標が立てられ、うち2つは社会保障制度に関わる内容であり、世界に誇る社会保障制度を構築している我が国にとって重要な課題であると当社は認識しております。その状況の中、従来の病院や施設型の介護だけではなく、住み慣れた地域や自宅において、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、在宅医療や在宅介護で支える「地域包括ケアシステム」の構築を今後の社会保障制度の主な施策として厚生労働省がホームページ上で推進することを示しております。

一方、この地域包括ケアシステムを実現するためには、一人の患者の在宅ケアに関して、病院、在宅医、歯科、薬局、訪問看護、ケアマネジャー(注4)、介護サービス事業者等の多職種他法人が入れ替わりで業務に入るため、関係者が離れていてもリアルタイムに情報を共有するよう、地域連携できる仕組み作りが必要となります。昨今では携帯電話におけるスマートフォンの急激な普及も広がり、国や厚生労働省も政策として介護現場でのICTを活用したペーパレス化を推進しており、よりICTに対して期待が広がっている状況であるものと認識しております。

ただ、要介護者が増えていくことで業務量が増大しているケアマネジャー及び介護事業者は、多忙な業務や人材不足などの問題を抱えております。介護職の業務効率化や知識・経験を補うノウハウの蓄積、そして高齢者の衣食住に関わるニーズを満たす商品知識などが必要となっており、それらを適切に手に入れられる仕組み作りが「地域包括ケアシステム」を支えるための重要な要素となりますが、Google等の汎用検索エンジンや他のビックデータには、そういったノウハウを蓄積し明確に提供してはいないため、医療介護業界に特化した適切な情報には辿り着くことが出来ない状況であるものと認識しております。

このような環境の中、当社の提供するインターネットサービスである「カナミッククラウドサービス(注5)」はパソコンやタブレット、スマートフォンといったマルチデバイス(注6)で利用できる『医療・介護連携』『介護業務の効率化』『ビックデータなどナレッジ共有』などに着目した、日本の知見を構築するための課題解決型のクラウドサービスであります。当社は医療・介護分野に特化したクラウドサービス事業を主に展開し、それに付随して当社サービス利用者に対して介護関連商品等の広告事業を提供しております。さらに、総務省や厚生労働省の医療・介護関連プロジェクトや地方創生事業にも参画し、高齢者支援事業から子育て支援事業まで活用できる幅広いICTのプラットフォームを提供しております。

(注1) 超高齢社会
65歳以上人口が総人口に占める割合である高齢化率が25%を超える日本の現状を指す通称。

(注2) 地域包括ケア
重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される社会基盤。

(注3) ICT
Information and Communication Technologyの略語。情報・通信に関する技術の総称。

(注4) ケアマネジャー
介護保険制度においてケアマネジメントを実施する有資格者(介護支援専門員)の通称。

(注5) クラウドサービス
インターネット経由でソフトウェア機能等を提供するサービス。利用する機能に応じてSaaS(ソフトウェア)、PaaS(プラットフォーム)、IaaS(インフラ)の3種類に分類される。

(注6) マルチデバイス
コンテンツやサービス、ソフトウェアなどが様々な機器から等しく利用出来ること。また、様々な種類の機器が混在し、相互に連携できること。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長  山本 拓真
本店所在地 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号
設立年月日 2000年10月20日
監査法人 有限責任 あずさ監査法人
従業員数 61人(平均臨時雇用者数2人)
平均年齢 36.3歳
平均勤続年数 3.3年
平均年間給与 459.3万円

業績

売上・経常利益など業績は以下の通り。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
野村証券(主幹事) 193,600株 88.00%
みずほ証券 11,000株 5.00%
SBI証券 6,600株 3.00%
岩井コスモ証券 2,200株 1.00%
東海東京証券 2,200株 1.00%
いちよし証券 2,200株 1.00%
岡三証券 2,200株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託幹事(上記以外の証券会社)に回すとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(90日)がかかっており、非ロックアップ株数は概算でわずか10,000株(上場時発行済株数の0.87%)。

非ロックアップ株数は、売出・新株予約権による潜在株式数は除外しました。1.5倍の解除条件がないのは良いですね。

以上、総合的に考えて、既存株主からの初値形成時の売りは、気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
株式会社SHO 380,000株 30.40% 90日
山本 拓真 285,000株 22.80% 90日
川西 京也 130,000株 10.40% 90日
山本 稔 125,000株 10.00% 90日
山本 洋子 125,000株 10.00% 90日
山本 景士 58,500株 4.68% 90日
田中 最代治 35,500株 2.84% 90日
株式会社まちづくり三鷹 20,000株 1.60% ※全て売出
澤田 秀雄 20,000株 1.60% 90日
荘司 由香子 10,000株 0.80% 90日
井川 幸広 10,000株 0.80% 90日

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。

吸収金額(想定価格ベース)が約6.9億円で約25%が売りに回ったと仮定して約1.7億円。約2.5億円~約5億円を同日上場の3社で分け合ったとして1社あたり1億円弱。カバー出来そうな数字だと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約6.9億円
吸収金額(公開価格ベース) 約7.5億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約7.2億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約7.8億円
非ロックアップ比率(概算)*3 0.87%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 2倍以上
初値予想(仮条件決定時) 2倍以上
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年9月14日(水)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は8,500円(58,200株の気配)くらい。公開価格が3,000円ですので、約2.83倍。金額にすると約4.9億円の買い需要。初日の上限6,900円を上回る買いでこの時点で初値は二日目持ち越し濃厚な情勢。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは3,000円に46,600株の売り気配。公募割れ回避には約1.3億円が必要だったということになりますが、全く問題なし。

そして、初日は案の定、初日の上限6,900円に到達。初値は二日目へ持ち越しとなりました。

二日目の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は8,000円(120,400株の気配)くらい。公開価格が3,000円ですので、約2.66倍。金額にすると約9.6億円の買い需要。二日目の上限15,870円はさすがに遠い。

そして、9:46に初値がつきます。初値は8,600円。公開価格比で約2.87倍。初値形成時の出来高は161,400株で、約13.8億円の買い需要が発生。

値がついた後の値動きはというと、上から下まで値幅がすごい。初値がついた後、9:49に最高値(9,100円)をつけましたが、そこから急落。10:25には最安値(7,560円)に。1540円うごくってなんなんすかね。で、そこから持ち直し14:00前後には8,800円台をつけるまでに回復したものの、また値を下げ終わり間際には一時7,600円台に。最後一気に戻して8,090円が終値。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 8,600円(公開価格比:約2.87倍)
終値(初値の当日) 8,090円
高値(初値の当日) 9,100円
安値(初値の当日) 7,560円
出来高(初値時ティック) 161,400株
出来高(初値の当日) 501,100株
初売比率(公募・売出ベース)*4 63.79%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 61.37%
買い需要(初値形成時) 約13.8億円
売買代金(初値の当日) 約41.9億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算