「エボラブルアジア」がIPO、初値予想は?

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「株式会社エボラブルアジア(6191)」の東証マザーズへの新規上場が承認されました。予定される上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずは概要だけ、ざっくりまとめ。

2016年2月26日(金)、株式会社ウイルプラスホールディングス(3538)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社エボラブルアジア(6191)」で、上場日は2016年3月31日(木)を予定しています。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

銘柄名 株式会社エボラブルアジア
銘柄URL http://www.evolableasia.com/
銘柄コード 6191
上場市場 東証マザーズ
業種 サービス業
事業内容 主に国内航空券のインターネット販売に特化したオンライン旅行事業、訪日旅行事業、アジアでIT開発を行うITオフショア開発事業

幹事団や仮条件、BBの日程は?

幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 SBI証券
その他の引受証券会社 岩井コスモ証券、エイチ・エス証券、岡三証券、東洋証券、マネックス証券、水戸証券、藍澤証券、エース証券、日本アジア証券
委託幹事 安藤証券
仮条件決定日 2016年3月10日(木)
ブックビルディング期間 2016年3月14日(月)~2016年3月18日(金)

初値形成における好材料/悪材料は?

想定価格は1,680円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約19.2億円で、東証マザーズへの上場となります。初値形成における好材料/悪材料を整理すると下記のようになります。プラス・マイナスを比較すると、マイナスの数が上回ります。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) マイナス(約19.2億円、中型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系、訪日旅行事業というテーマ性)
公開比率 なし(21.4%、普通)
売出比率 なし(37.8%、特に材料にならない)
ロックアップ マイナス(VCにロックアップ無し)
同日上場 マイナス(2社同日上場)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は年初から市況がかなり悪化しており、ベンチャーキャピタルのロックアップがかかっていないことへの懸念が残ります。また、2社同時上場も悪材料ですが、業績は順調。業種も人気のネット・IT系で、東京オリンピックに向けた訪日旅行事業といったテーマ性も含んでおり、公募割れの可能性は低いと思います。初値は公開価格の1.2倍~1.5倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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日程・スケジュール

上場日 2016年3月31日(木)
仮条件決定日 2016年3月10日(木)
ブックビルディング期間 2016年3月14日(月)~2016年3月18日(金)
公開価格決定日 2016年3月22日(火)
申込期間 2016年3月24日(木)~2016年3月29日(火)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 1,680円
仮条件 1,660円~1,800円
公開価格 1,800円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 5,368,100株
公募株数 620,000株
売出株数 377,200株
オーバーアロットメント株数 149,500株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 大石 崇徳(150,000株)、笹沼 泰助(127,200株)、吉村ホールディングス株式会社(100,000株)
公開比率 21.4%
売出比率 37.8%
時価総額(想定価格ベース) 約90.1億円
時価総額(公開価格ベース) 約96.6億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 37.70
1株あたり利益(予想) 53.47
PER(予想・想定価格ベース) 31.4
PER(予想・公開価格ベース) 33.7
1株あたり純資産(前期) 74.66
PBR(前期・想定価格ベース) 22.5
PBR(前期・公開価格ベース) 24.1
1株あたり配当(予想) 0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

サービス業で、オンライン旅行事業、訪日旅行事業、アジアでのITオフショア開発事業を展開。セグメントは「オンライン旅行事業セグメント」と「ITオフショア開発事業セグメント」の2つ。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社エボラブルアジア|EDINET

当社グループの事業セグメントは、「オンライン旅行事業セグメント」と「ITオフショア開発事業セグメント」の2つです。「オンライン旅行事業セグメント」は、旅行商材の比較・販売を行う自社サイトによる直販(BtoC)、他社媒体へ当社の検索予約エンジンを提供するOEM(Original equipment manufactuer)提供(BtoBtoC)、ホールセール(BtoB)、法人の出張手配(BTM-Business Travel Management)を販路に、国内航空券や海外ホテルを中心に旅行商材の販売を行う「オンライン旅行事業」と、急増する訪日旅客(インバウンド需要)に旅行商材を提供する「訪日旅行事業」により構成されております。「ITオフショア開発事業セグメント」は、ベトナムにおけるラボ型システム開発を行う「ITオフショア開発事業」を主要事業として事業展開を進めております。

セグメントごとの利益を見ると、第9期(平成27年9月期)では、売上がオンライン旅行事業(59.43%)でITオフショア開発事業(35.09%)、利益がオンライン旅行事業(96.26%)でITオフショア開発事業(3.21%)。利益からすると、オンライン旅行事業が主軸といえます。ただ、今期第1四半期(第10期)の進捗ではITオフショア開発事業の利益が第9期の利益をすでに超えており、こちらの事業も伸びてきている様子がうかがえます。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長 吉村 英毅
本店所在地 東京都港区芝三丁目5番5号
設立年月日 2007年5月11日
監査法人 三優監査法人
従業員数 50人(平均臨時雇用者数は特に記載なし)
平均年齢 33.1歳
平均勤続年数 3.1年
平均年間給与 470.7万円

業績

売上、経常利益は第7期(平成25年9月期)以降、右肩上がりに伸びており、今期第1四半期(第10期)の進捗も順調な様子。第5期、第6期の売上と第7期を比較すると大分減少しているのですが、第6期までの売上は総額表記、第7期から純額表記に切り替わった影響のようです。

四季報が予想する業績予想の記事はこちら

幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
SBI證券(主幹事) 848,100株 85.05%
岩井コスモ証券 19,900株 2.00%
エイチ・エス証券 19,900株 2.00%
岡三証券 19,900株 2.00%
東洋証券 19,900株 2.00%
マネックス証券 19,900株 2.00%
水戸証券 19,900株 2.00%
藍澤証券 9,900株 0.99%
エース証券 9,900株 0.99%
日本アジア証券 9,900株 0.99%

上記引受株式数のうち、2,000株を上限として委託に回るとのこと。私の知る限りでは、委託幹事は安藤証券です。

ロックアップ/上位株主TOP10

ロックアップ(180日)がかかっているのは上位2者(大石崇徳氏、吉村ホールディングス株式会社)以外では薛悠司氏のみ。ロックアップなしの中にはベンチャーキャピタルもいて、非ロックアップ株数は概算で822,600株(上場時発行済株数の15.32%)。ロックアップなしでも笹沼泰助氏(127,200株)は売出人の一人で、全株売出なので除外。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が21.4%なので、63.31%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

さて、ロックアップのかかっていないベンチャーキャピタルですが、Fenox Venture Company IX, L.P.(269,100株)、Fenox Venture Company III, L.P.(42,300株)、Fenox Venture Company VIII, L.P.(18,600株)の3社。3社あわせると上場時発行済株数の6.15%(330000株)で、まぁまぁありますね。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、わりと気にしておいた方が良いと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
大石崇徳 2,715,900株 53.41% 180日
吉村ホールディングス株式会社 1,404,000株 27.61% 180日
Fenox Venture Company IX, L.P. 269,100株 5.29%
笹沼泰助 127,200株 2.50%
株式会社ベクトル 76,500株 1.50%
山下大介 76,500株 1.50%
Fenox Venture Company III, L.P. 42,300株 0.83%
Fenox Venture Company VIII, L.P. 18,600株 0.37%
薛悠司 15,000株 0.30% 180日
株式会社ヒトトキインキュベーター 3,000株 0.06%

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約19.2億円
吸収金額(公開価格ベース) 約20.6億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約33.0億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約35.4億円
非ロックアップ比率(概算) 15.32%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 上場時発行済株数に占める非ロックアップ株数の割合

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の1.2倍~1.5倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 1.2倍~1.5倍未満
初値予想(仮条件決定時) 1.2倍~1.5倍未満
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年3月31日(木)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は2,100円(496,100株の気配)くらい。公開価格が1,800円ですので、約1.16倍。金額にすると約10.4億円の買い需要。

前場が開くと9時ちょい過ぎに見たところでは1,800円に652,300株の買い気配で、約11.7億円。そこそこ買いが集まってきました。初日の上限4,140円はさすがに遠そう。

そして、市場が開いて、10:25に初値がつきます。初値は2,670円。公開価格比で約1.48倍。気配からかなり上げましたね。初値形成時の出来高は784,900株で、約20.9億円の買い需要が発生。

値がついた後の値動きはというと、序盤は売り込まれ10:42に最安値(2,463円)をつけましたが、後場に入り切り返し一時は13:44にストップ高の最高値(3,170円)。ただ、S高もすぐに剥がれ、その後少し下でもみ合ってから一気に値を下げ、終値は公開価格を下回る2,550円に。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 2,670円(公開価格比:約1.48倍)
終値(初値の当日) 2,550円
高値(初値の当日) 3,170円
安値(初値の当日) 2,463円
出来高(初値時ティック) 784,900株
出来高(初値の当日) 4,726,500株
初売比率(公募・売出ベース)*4 68.45%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 39.86%
買い需要(初値形成時) 約20.9億円
売買代金(初値の当日) 約130.8億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算