「デジタルアイデンティティ」がIPO、初値予想など情報まとめ

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「株式会社デジタルアイデンティティ(6533)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年8月10日(水)、さくら総合リート投資法人(3473)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社デジタルアイデンティティ(6533)」で、主幹事はみずほ証券上場日は2016年9月14日(水)を予定しています。

想定価格は1,540円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約6.3億円で、東証マザーズへの上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社デジタルアイデンティティ
銘柄URL http://digitalidentity.co.jp/
銘柄コード 6533
上場市場 東証マザーズ
業種 サービス業
事業内容 運用型広告、SEOコンサルティング、クリエイティブサービスを主要サービスとするデジタルマーケティング事業、アプリの企画・開発・運営を行うライフテクノロジー事業

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 みずほ証券
その他の引受証券会社 SBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、岡三証券、いちよし証券、エース証券
委託幹事
仮条件決定日 2016年8月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年8月29日(月)~2016年9月2日(金)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理したものが下記。プラス・マイナスの数を比較するとプラスが上回ると思います。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) プラス(約6.3億円、小型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系)
公開比率 なし(20.0%、普通)
売出比率 なし(63.9%、普通)
ロックアップ プラス(VC不在、上位株主にロックアップ)
同日上場 マイナス(3社同日上場)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少していますが、総合的に見て公募割れする可能性は低いと思います。

吸収金額(想定価格ベース)は約6.3億円と小型で、VC不在、上位株主にロックアップと需給面は良好。人気のIT・ネット系ですので、需要もあると思います。

問題は3社同日上場という点ですが、他も株式会社カナミックネットワーク(3939)が約6.9億円、株式会社串カツ田中(3547)が約15.0億円とそこまで巨大なのがいないので、影響はある程度抑えられるのではないでしょうか。

初値は公開価格の1.5倍~2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年9月14日(水)
仮条件決定日 2016年8月25日(木)
ブックビルディング期間 2016年8月29日(月)~2016年9月2日(金)
公開価格決定日 2016年9月5日(月)
申込期間 2016年9月6日(火)~2016年9月9日(金)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 1,540円
仮条件 1,400円~1,540円
公開価格 1,540円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 2,069,200株
公募株数 130,000株
売出株数 230,500株
オーバーアロットメント株数 54,000株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 清水賢(100,000株)、金城聖薫(40,000株)、株式会社正聖会(25,700株)、山本雄貴(25,000株)、鈴木謙司(12,500株)、石田孝之(8,000株)、中屋昌太(5,000株)、桑田修吉(3,300株)、中村慶郎(3,000株)、佐藤亨樹(3,000株)、柳径太(3,000株)、高橋康浩(1,000株)、馬谷亨(1,000株)
公開比率 20.0%
売出比率 63.9%
時価総額(想定価格ベース) 約31.8億円
時価総額(公開価格ベース) 約31.8億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 20.75
1株あたり利益(予想) 84.61
PER(予想・想定価格ベース) 18.2
PER(予想・公開価格ベース) 18.2
1株あたり純資産(前期) 79.58
PBR(前期・想定価格ベース) 19.4
PBR(前期・公開価格ベース) 19.4
1株あたり配当(予想) 0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

運用型広告サービス(主にリスティング広告)、SEOコンサルティングサービス、クリエイティブサービスを主とするデジタルマーケティング事業、そしてネイティブアプリ(主に占い)の企画・制作・開発・運営を行うライフテクノロジー事業を展開。セグメントもデジタルマーケティング事業、ライフテクノロジー事業の二つ。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社デジタルアイデンティティ|EDINET

当社グループは、当社及び連結子会社1社(株式会社DI Continents)により構成されており、インターネットや情報端末が広く普及した現代社会において、情報やサービスを提供する企業や個人とそれを利用する消費者との間で、新たな価値を創造し続けたいという思いから、「創造の連鎖」を企業ビジョンとして掲げ、リスティング広告(※1)を主とする運用型広告サービス、SEOコンサルティングサービス、クリエイティブサービスを中心とするデジタルマーケティング事業、及び占いを主要カテゴリーとしたネイティブアプリ(※2)の企画・制作・開発・運営を行うライフテクノロジー事業を行っております。

※1 リスティング広告はマーケティング手法の一つであり「検索連動型広告」とも言われます。検索エンジンでユーザーがあるキーワードで検索した時に、検索語と関連性の高い広告を選択して表示する広告手法のことを指します。
※2 ネイティブアプリとは、主にスマートフォン向けに提供されるアプリを指し、端末のCPUが直接処理・実行できる形式でコードが記述されているアプリの総称であります。

当社グループは、これまでインターネット業界において、SEM(※3)コンサルティングに係るサービス提供で得たノウハウ、テクノロジーを用いたデジタルマーケティング戦略をクライアント企業に提供して参りました。その中でも最も重視してきたのがインターネットを利用する個人一人ひとりの興味や心理状況、行動特性を分析した上で、最適なコミュニケーションをデザインすることであります。当社グループではこれを「アイデンティティ設計」と呼んでおります。テクノロジーの進化に伴い、インターネットが、テレビや店頭ディスプレイ、電車内広告、家電などと融合し、より消費生活に溶け込んでいく流れが加速する中で、デジタルを介した消費行動全般の最適化を目指しております。当社グループでは、デジタル領域での「アイデンティティ設計」に基づき、クライアント企業に対してベストソリューションを提供することで、クライアント企業とその顧客・ユーザー間の最適なコミュニケーションを創造し続けることを目指しております。

※3 SEMとは、Search Engine Marketingの略で、SEOやリスティング広告を含む検索エンジン上のマーケティングのことを指します。

また、当社グループにおいては、「もっと便利に、もっと豊かに、もっと面白く」をテーマとし、自社メディア・アプリの制作・運用により、インターネットユーザーにとって価値あるコンテンツやツールの提供を目的としたサービスを展開しております。

今後も当社グループは、クライアント企業の広告効果を最大化するデジタルマーケティング戦略の提供と自社メディア・アプリの制作・運用によるインターネットユーザーへの付加価値の提供を両輪とする、「インターネット+α」のサービス展開により、社会的付加価値を創造し続けていきたいと考えております。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長CEO 中村 慶郎
本店所在地 東京都渋谷区恵比寿南一丁目15番1号
設立年月日 2009年6月17日
監査法人 新日本有限責任監査法人
従業員数 80人(平均臨時雇用者数は記載なし)
平均年齢 29.3歳
平均勤続年数 1.6年
平均年間給与 413.8万円

業績

売上・経常利益など業績は以下の通り。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
みずほ証券(主幹事) 306,500株 85.02%
SBI証券 18,000株 4.99%
SMBC日興証券 18,000株 4.99%
マネックス証券 7,200株 2.00%
岡三証券 3,600株 1.00%
いちよし証券 3,600株 1.00%
エース証券 3,600株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託幹事(上記以外の証券会社)に回すとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(180日or1.5倍)がかかっており、非ロックアップ株数は概算でわずか33,400株(上場時発行済株数の1.61%)。

非ロックアップ株数は、売出・新株予約権による潜在株式数は除外しました。

以上、総合的に考えて、既存株主からの初値形成時の売りは、1.5倍になるまでは気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
中村慶郎 579,850株 24.85% 180日or1.5倍
佐藤亨樹 579,850株 24.85% 180日or1.5倍
慶キャピタル株式会社 193,800株 8.30% 180日or1.5倍
TSK capital株式会社 193,800株 8.30% 180日or1.5倍
鈴木謙司 115,900株 4.97% 180日or1.5倍
清水賢 100,000株 4.29% ※全て売出
金城聖薫 100,000株 4.29% 180日or1.5倍
株式会社正聖会 45,700株 1.96% 180日or1.5倍
石田孝之 45,000株 1.93% 180日or1.5倍
脇山季秋 40,000株 1.71% 180日or1.5倍

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。

吸収金額(想定価格ベース)が約6.3億円で約25%が売りに回ったと仮定して約1.5億円。約2.5億円~約5億円を同日上場の3社で分け合ったとして1社あたり1億円弱。カバー出来そうな数字だと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約6.3億円
吸収金額(公開価格ベース) 約6.3億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約6.8億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約6.8億円
非ロックアップ比率(概算)*3 1.61%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の1.5倍~2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 1.5倍~2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 1.5倍~2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年9月14日(水)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は2,298円(132,200株の気配)くらい。公開価格が1,540円ですので、約1.49倍。金額にすると約3.0億円の買い需要。初日の上限3,545円には届かなそうですが、公開価格はクリア。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは1,540円に118,100株の売り気配。公募割れ回避には約1.8億円が必要だったということになりますが、そこは問題なし。

そして、12:47に初値がつきます。初値は2,900円。公開価格比で約1.88倍。初値形成時の出来高は278,500株で、約8.0億円の買い需要が発生。

値がついた後の値動きはというと、前半売り、後半買いといった感じ。初値がついた後、14:06に最安値(2,580円)をつけるまで下落。そこから急激に反転し14:38には最高値(2,986円)に。最後少しだけ落ちて初値に近い2,880円が終値。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 2,900円(公開価格比:約1.88倍)
終値(初値の当日) 2,880円
高値(初値の当日) 2,986円
安値(初値の当日) 2,580円
出来高(初値時ティック) 278,500株
出来高(初値の当日) 1,910,600株
初売比率(公募・売出ベース)*4 67.19%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 62.18%
買い需要(初値形成時) 約8.0億円
売買代金(初値の当日) 約53.7億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算