「チエル」がIPO、初値予想は?

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チエル株式会社(3933)」のJASDAQスタンダードへの新規上場が承認されました。予定される上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずは概要だけ、ざっくりまとめ。

2016年2月16日(火)、アグレ都市デザイン株式会社(3467)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「チエル株式会社(3933)」で、上場日は2016年3月22日(火)を予定しています。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

銘柄名 チエル株式会社
銘柄URL http://www.chieru.co.jp/
銘柄コード 3933
上場市場 JASDAQスタンダード
業種 情報・通信業
事業内容 教育用ソフトウェア、ネットワークおよびシステムの企画・開発および販売

幹事団や仮条件、BBの日程は?

幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 みずほ証券
その他の引受証券会社 SMBC日興証券、SBI証券、いちよし証券、極東証券、マネックス証券
委託幹事
仮条件決定日 2016年3月1日(火)
ブックビルディング期間 2016年3月3日(木)~2016年3月9日(水)

初値形成における好材料/悪材料は?

想定価格は810円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約4.2億円で、JASDAQスタンダードへの上場となります。初値形成における好材料/悪材料を整理すると下記のようになります。プラス・マイナス比較すると、プラスの数が上回っています。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) プラス(約4.2億円、超小型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系)
公開比率 なし(29.2%、普通)
売出比率 なし(69.4%、特に材料にならない)
ロックアップ プラス(上位株主、VCにロックアップ)
同日上場 プラス(同じ日に上場する銘柄なし)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は年初から市況がかなり悪化していますが、公募割れするような規模ではないと思います。初値は公開価格の1.5倍~2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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日程・スケジュール

上場日 2016年3月22日(火)
仮条件決定日 2016年3月1日(火)
ブックビルディング期間 2016年3月3日(木)~2016年3月9日(水)
公開価格決定日 2016年3月10日(木)
申込期間 2016年3月11日(金)~2016年3月16日(水)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 810円
仮条件 730円~810円
公開価格 810円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 1,800,000株
公募株数 140,000株
売出株数 317,000株
オーバーアロットメント株数 68,500株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 川居 睦(202,000株)、森谷 和浩(115,000株)
公開比率 29.2%
売出比率 69.4%
時価総額(想定価格ベース) 約14.5億円
時価総額(公開価格ベース) 約14.5億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 57.49
1株あたり利益(予想) 72.64
PER(予想・想定価格ベース) 11.2
PER(予想・公開価格ベース) 11.2
1株あたり純資産(前期) 541.07
PBR(前期・想定価格ベース) 1.5
PBR(前期・公開価格ベース) 1.5
1株あたり配当(今期予想) 0.0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

情報・通信業で、小学校、中学校、高校、大学及び専門学校を主な対象市場とする学校教育ICT(Information and Communication Technology)事業を展開。ICTはIT(情報技術)のほぼ同義語ですね。教員の教える仕事の支援(授業/講義支援・クラウドサービス「CHIeru.net」等での教材提供・運用管理)を中心としたシステム及びデジタル教材の企画・開発・製作・販売を行っているそうです。セグメントは学校教育ICT事業のみの単一セグメント。

参照有価証券届出書(新規公開時)|チエル株式会社|EDINET

当社は、単一セグメントとして学校教育ICT事業を営んでおります。対象となる主な市場は、小学校、中学校、高校、大学及び専門学校です。当該市場向けに、教務支援機能(教員の「教える」仕事を支援する機能)を中心としたシステム及びデジタル教材の企画・開発・製作・販売を行っております。

当社は、「学校教育ICT市場に特化し、子供たちの可能性のある未来のために、『教育』と『ICT』をつなぐイノベーターとして貢献してまいる」ことをビジョンとして掲げ、学校教育市場を大きく、「高校・大学・専門学校市場(以下、「高大市場」とします)」、「小学校・中学校市場(以下、「小中市場」とします)」とに区分して、事業活動を展開しております。

当社の高大市場向け製品・サービスは、主に各種教室における講義を支援する「a.講義支援分野」、学生・生徒が活用するデジタル教材の配信を行う「b.教材提供クラウドサービス分野」、講義教室だけでなく図書館等の講義教室外における学習も含めて側面から支援する「c.運用管理システム分野」の領域に基づき、顧客である高校・大学に提供しております。

当社の小中市場向け製品・サービスは、主に学校内の授業を支援する「授業支援分野」、生徒児童が活用するデジタル教材の配信を行う「教材提供分野」の領域に基づき、顧客である中学校・小学校・教育委員会に提供しております。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長 川居 睦
本店所在地 東京都品川区東品川二丁目2番24号
設立年月日 1997年10月1日
監査法人 太陽有限責任監査法人
従業員数 59人(平均臨時雇用者数16人)
平均年齢 36.6歳
平均勤続年数 4.6年
平均年間給与 582.5万円

業績

売上・経常利益ともに横ばいに近いイメージ。教育機関向けということで、急成長というよりは固定客相手の手堅い感じの商売なんでしょうか?

四季報が予想する業績予想の記事はこちら

幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
みずほ証券(主幹事) 388,700株 85.05%
SMBC日興証券 36,500株 7.99%
SBI証券 13,700株 3.00%
いちよし証券 9,100株 1.99%
極東証券 4,500株 0.98%
マネックス証券 4,500株 0.98%

上記引受株式数のうち、2,000株を上限として委託に回るとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(ほとんど90日or1.5倍)が軒並みかかっており、非ロックアップ株数は概算で271,050株(上場時発行済株数の15.06%)。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が29.2%なので、55.75%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

まぁただ、そもそもの吸収金額が約4.2億円と小さいですし、271,050株全て売りに回ったとしても約2.1億円の積み増しと考えれば、それほど影響は大きくなさそう。上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者との間に継続所有等の確約もとっているとのこと。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、1.5倍になるまでは、気にする必要はないと思います。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
川居 睦 750,000株 38.03% 90日or1.5倍
チエル株式会社 208,500株 10.57% 90日
森谷 和浩 195,000株 9.89% 90日or1.5倍
アルプスシステムインテグレーション株式会社 180,000株 9.13% 90日or1.5倍
株式会社旺文社 180,000株 9.13% 90日or1.5倍
チエル社員持株会 105,000株 5.32%
大賀 昭雄 60,000株 3.04% 90日or1.5倍
森 達也 60,000株 3.04% 90日or1.5倍
株式会社旺文社キャピタル 45,000株 2.28% 90日or1.5倍
株式会社第一総合会計 22,500株 1.14% 90日or1.5倍
村上 有弘 17,400株 0.88%

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約4.2億円
吸収金額(公開価格ベース) 約4.2億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約6.4億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約6.4億円
非ロックアップ比率(概算) 15.06%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 上場時発行済株数に占める非ロックアップ株数の割合

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の1.5倍~2倍未満と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 1.5倍~2倍未満
初値予想(仮条件決定時) 1.5倍~2倍未満
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年3月22日(火)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は2,000円(191,600株の気配)くらい。公開価格が810円ですので、約2.46倍。金額にすると約3.8億円の買い需要。これは既に凄い勢いですね。

前場が開くと9時ちょい過ぎに見たところでは810円に423,900株の買い気配で当然ですが、特買い。初日の上限は1,863円なので、クリアしてきそうですね。

そして案の定、初日の上限に到達。即金規制のかかる二日目に突入することに。初日引け15:00の買い気配は1,863円(426,600株の気配)。買いは約7.9億円まで膨らんできています。なお、二日目の上限は4,285円ですので、さすがに二日目で初値をつけると思います。

二日目の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は2,030円(307,600株の気配)くらい。公開価格が810円ですので、約2.50倍。金額にすると約6.2億円の買い需要。二日目の上限は4,285円なので、初値はつくでしょう。前場が開くと9時ちょい過ぎに見たところでは1,863円に381,100株の買い気配で特買い。

そして、9:26に初値がつきます。初値は2,151円。公開価格比で2.65倍。伸びましたねー。初値形成時の出来高は354,300株で、約7.6億円の買い需要が発生。

値がついた後の値動きはというと、当初は値を下げ9:50に最安値(2,100円)をつけましたが、その後反転。10時手前でストップ高直前の2,150円まで上昇。ただ、その後2,100円台まで下げる荒い展開。後場は一転して上げ、14:00に最高値となるストップ高(2,151円)に到達。何回か剥がれつつも終値はストップ高(2,151円)のままフィニッシュ。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 2,151円(公開価格比:約2.50倍)
終値(初値の当日) 2,651円
高値(初値の当日) 2,651円
安値(初値の当日) 2,100円
出来高(初値時ティック) 354,300株
出来高(初値の当日) 1,144,800株
初売比率(公募・売出ベース)*4 67.42%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 44.48%
買い需要(初値形成時) 約7.6億円
売買代金(初値の当日) 約25.8億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算