「AWSホールディングス」がIPO、初値予想は?

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「株式会社AWSホールディングス(3937)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年5月17日(火)、株式会社やまみ(2820)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社AWSホールディングス(3937)」で、主幹事はSBI証券上場日は2016年6月21日(火)を予定しています。

想定価格は2,400円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約3.0億円で、東証マザーズへの上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社AWSホールディングス
銘柄URL http://www.aws-hd.com/
銘柄コード 3937
上場市場 東証マザーズ
業種 情報・通信業
事業内容 フィリピン子会社を活用したシステムソリューションの提供及び医療情報システムのソフトウェア商品の開発・販売等

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 SBI証券
その他の引受証券会社 SMBC日興証券、エイチ・エス証券、東洋証券、日本アジア証券(2016/5/24追記:有価証券届出書に訂正が入り、大和証券は幹事団から外れたようです)
委託幹事
仮条件決定日 2016年5月31日(火)
ブックビルディング期間 2016年6月2日(木)~2016年6月8日(水)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理したものが下記。プラス・マイナスの数を比較するとプラスが上回ると思います。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) プラス(約3.0億円、超小型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系)
公開比率 プラス(9.5%、低い)
売出比率 プラス(0%、売出なし)
ロックアップ プラス(VC不在、上位株主にロックアップ)
同日上場 マイナス(2社同日上場)
前回IPOからの期間 なし(特に材料にならない)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少していますが、吸収金額(想定価格ベース)はかなり小さいので、公募割れするような規模ではないと思います。

フィリピンでオフショア開発(開発業務を海外事業者や海外子会社に委託したり発注すること)を手がけるということで、エボラブルアジア(6191)を思い出します。

エボラブルアジア(6191)は初値が公開価格比:約1.48倍になって上場後1ヵ月以上株価の上昇が続いているので、良いイメージ。また、吸収金額(想定価格ベース)で約19.2億円でしたので、AWSホールディングスの約3.0億円という規模はかなり小さく、需給面ではかなり有利です。

ロックアップもかかってますし、1.5倍の条件がないのが良い。ネガティブ要素は、グローバル事業・メディカル事業のうち、メディカル事業が軟調、そして翌連結会計年度より連結納税制度を導入することに伴う繰延税金資産の評価替えで、純利益が2016年第3四半期の時点でマイナスという点(経常利益はプラスですが)。

ネガティブ要素は2社同日上場になってしまった点。ただ、同日上場のストライク(6196)の吸収金額(想定価格ベース)は約7.6億円と小さく、AWSホールディングス(3937)とあわせても約10.6億円なので、そこまで大きな影響はないのかなと。

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年6月21日(火)
仮条件決定日 2016年5月31日(火)
ブックビルディング期間 2016年6月2日(木)~2016年6月8日(水)
公開価格決定日 2016年6月9日(木)
申込期間 2016年6月13日(月)~2016年6月16日(木)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 2,400円
仮条件 2,290円~2,490円
公開価格 2,490円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 1,330,160株
公募株数 110,000株
売出株数 0株
オーバーアロットメント株数 16,500株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 なし
公開比率 9.5%
売出比率 0.0%
時価総額(想定価格ベース) 約31.9億円
時価総額(公開価格ベース) 約33.1億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 28.59
1株あたり利益(予想) 127.94
PER(予想・想定価格ベース) 18.8
PER(予想・公開価格ベース) 19.5
1株あたり純資産(前期) 656.35
PBR(前期・想定価格ベース) 3.7
PBR(前期・公開価格ベース) 3.8
1株あたり配当(予想) 0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

グローバル事業、メディカル事業を展開。セグメントはこの二つ。

グローバル事業は、さらに二つの部門(グローバル部門、エンタープライズソリューション部門)に分かれています。

グローバル部門は、日本・フィリピンを中心にソフトウエア開発、ITアウトソーシング、ビジネスアプリケーション及び組込みソフトの設計・開発等の支援をしているそうです。いわゆるオフショア開発ですね。

エンタープライズソリューション部門は、特定顧客の金融関連の開発案件を中核としたソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動をやっているとのこと。

一方のメディカル事業は、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションをやっていると。

2015年3月期の数字を見るとグローバル事業とメディカル事業の売上・営業利益は6:4くらいでグローバル事業の方が多いです。これが2016年第3四半期になると、売上は2:1くらいで、営業利益では5:1くらいにまで差が開いてます(グローバル事業の方が多い)。グローバル事業主体といえると思います。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社AWSホールディングス|EDINET

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類され、グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成されます。

グローバル部門では、日本及びフィリピンを中心拠点としたソフトウエア開発、ITアウトソーシング、ビジネスアプリケーション及び組込みソフトの設計・開発等の支援を行っております。

一方、エンタープライズソリューション部門では、特定顧客の金融関連の開発案件を中核としたソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。

他方、メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを行っております。

また、当社グループは、既存の製造業およびサービス業に加え、金融・医療、そして今後は自動車・ロボット分野におけるデータ融合型AI(人口知能)を視野に入れた領域を戦略的事業ドメインと位置づけ、また、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化、医療生命科学やロボット・人口頭脳の分野における技術革新などの社会変革を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、Go Global Company(注1)として事業モデルを展開しております。

「金融領域」においては、国内の金融機関や国内外の大手電機メーカーの金融系案件を中心に、金融分野に精通した業務アプリケーションの開発や、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。

「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役社長 青木 正之
本店所在地 東京都文京区小石川二丁目23番11号
設立年月日 2005年12月8日
監査法人 新日本有限責任監査法人
従業員数 57人(平均臨時雇用者数2人)
平均年齢 40.3歳
平均勤続年数 3.8年
平均年間給与 503.2万円

業績

連結ベースでは売上・経常利益ともに上昇傾向。

グローバル事業・メディカル事業のうち、メディカル事業が軟調、そして翌連結会計年度より連結納税制度を導入することに伴う繰延税金資産の評価替えで、純利益が2016年第3四半期の時点でマイナスなのが、気がかりですかね。

四季報が予想する業績予想の記事は、こちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
SBI証券(主幹事) 99,000株 90.00%
SMBC日興証券 6,600株 6.00%
エイチ・エス証券 2,200株 2.00%
東洋証券 1,100株 1.00%
日本アジア証券 1,100株 1.00%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託に回すとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(180日)がかかっており、非ロックアップ株数は概算で210,040株(上場時発行済株数の15.79%)。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が20.9%なので、74.70%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

1.5倍という条件がないので、初値形成時に1.5倍で売りが大量に出ることはなさそう。15.79%くらい非ロックアップがありますが、ベンチャーキャピタル・ファンド系が見当たらないので、そこまで大きな売りは出てこない気がします。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、それほど気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
青木 正之 606,130株 45.11% 180日
松下 順一 101,500株 7.55% 180日
小西 彰 98,000株 7.29% 180日
窪田 一貴 91,710株 6.83% 180日
息栖 邦夫 78,000株 5.81% 180日
山路 敏之 67,450株 5.02% 180日
小船 賢一 53,200株 3.96% 180日
菊池 裕二 37,500株 2.79% 180日
髙木 英治 32,170株 2.39%
畑崎 重雄 24,610株 1.83%

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。

少なくとも約2.5億円入ってくるのであれば、吸収金額(想定価格ベース)が約3.0億円、非ロックアップの売りを含めても約8.0億円の規模ということで、問題なく吸収できると予想しています。

吸収金額(想定価格ベース) 約3.0億円
吸収金額(公開価格ベース) 約3.1億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約8.0億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約8.3億円
非ロックアップ比率(概算)*3 15.79%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 2倍以上
初値予想(仮条件決定時) 2倍以上
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年6月21日(火)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は7,200円(50,200株の気配)くらい。公開価格が2,490円ですので、約2.89倍。金額にすると約3.6億円の買い需要。初日の上限5,730円は余裕でクリア。これは二日目濃厚ですね。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは2,490円に47,000株の売り気配。公募割れ回避には約1.1億円が必要だったということになりますが、全く問題なしでした。

朝の気配から初日に寄らないだろうと思いましたが、寄らず。初値は二日目へ持ち越しとなりました。

二日目の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は7,990円(82,800株の気配)くらい。金額にすると約6.6億円の買い需要。

昨日上場2社の初日値つかずで結果3社同時上場となってしまった本日、ストライク(6196)、AWSホールディングス(3937)、ジェイリース(7187)の3社のうち、一番割を食ったのはストライク(6196)という結果に。

前場が開くと9時ちょい過ぎに見たところでは5,730円に68,200株の売りが出てました。買いは113,300株でまだまだ買い優勢。

そして、前場も中盤の10:28に初値がつきます。初値は8,350円。公開価格比で約3.35倍。初値形成時の出来高は122,700株で、約10.2億円の買い需要が発生。

値がついた後の値動きはというと、はじめ9,000円台まで吊り上った後に急落し11:00に最安値(7,120円)。後場に入って盛り返し終盤14:43には最高値(9,290円)に。その後は一気に7,000円台まで急落、最後少し戻して7,600円が終値。非常に荒い値動きとなりました。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 8,350円(公開価格比:約3.35倍)
終値(初値の当日) 7,600円
高値(初値の当日) 9,290円
安値(初値の当日) 7,120円
出来高(初値時ティック) 122,700株
出来高(初値の当日) 365,500株
初売比率(公募・売出ベース)*4 97.00%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 36.46%
買い需要(初値形成時) 約10.2億円
売買代金(初値の当日) 約29.8億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算