「アトラエ」がIPO、初値予想は?

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「株式会社アトラエ(6194)」の東証へのIPOが承認されました。予定される新規上場スケジュールから幹事団、最も気になる「初値予想」や新規公開株としての評価・価格、当選・上場結果まで一通りの情報を、この記事でまとめます。

まずはIPOの概要だけ、ざっくりまとめ。

新規上場(IPO)する銘柄、市場は?

2016年5月13日(金)、株式会社ホープ(6195)に続いて新規上場が発表されました。IPOが承認されたのは「株式会社アトラエ(6194)」で、主幹事は大和証券上場日は2016年6月15日(水)を予定しています。

想定価格は5,030円(売買単元100株)。吸収金額(想定価格ベース)はオーバーアロットメント含め約12.9億円で、東証マザーズへの上場となります。

メモIPO投資ってどうやって始めるの?

IPO投資の始め方(IPO投資って何?~IPO投資の強み~IPO投資、二つのやり方~始めるのに最低限必要なもの)」という記事を書きました。ご参考にどうぞ。

銘柄名 株式会社アトラエ
銘柄URL https://atrae.co.jp/
銘柄コード 6194
上場市場 東証マザーズ
業種 サービス業
事業内容 成功報酬型求人メディア「Green」、タレントマイニングサービス「TalentBase」及び完全審査制AIビジネスマッチングアプリ「yenta」等の企画・運営

IPO幹事団や仮条件、BBの日程は?

IPO幹事団や仮条件、ブックビルディングの日程は下記の通りです。

主幹事 大和証券
その他の引受証券会社 SMBC日興証券、いちよし証券、岩井コスモ証券
委託幹事
仮条件決定日 2016年5月27日(金)
ブックビルディング期間 2016年5月31日(火)~2016年6月6日(月)

初値形成における好材料/悪材料は?

初値形成における好材料/悪材料を整理すると下記のようになります。プラス・マイナスの数を比較するとプラスが上回ると思います。

上場市場 プラス(人気の新興市場)
吸収金額(想定価格ベース) プラス(約12.9億円、やや小型)
業種 プラス(人気のIT・ネット系、テーマ性あり)
公開比率 なし(20.5%、普通)
売出比率 なし(57.6%、特に材料にならない)
ロックアップ プラス(VC不在、上位株主にロックアップ)
同日上場 マイナス(2社同日上場)
前回IPOからの期間 プラス(タカラレーベン・インフラ投資法人を除けば実質2016年6月1発目)

2016年は市況の悪化からIPOへの資金流入も減少しており、また2社同時上場がマイナス要素ですが、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)を除けば実質2016年6月1発目のようなものですし、総合的に見て公募割れする可能性は低いと思います。

ロックアップも1.5倍ですがかかっており、ベンチャーキャピタル・ファンド系が不在なのも需給面では有利。資料にAI・ビックデータ等のキーワードがあるので、テーマ性もあると思います。同じ求人メディアでは直近IPOのグローバルウェイ(3936)の初値が公開価格比:約4.73倍と高騰で良いイメージ。

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。上がりそうな銘柄の値がさなので当選したい!

メモ抽選への参加スタンスはどう考えている?

抽選に当選し初値で売る場合、いわゆる公募割れ(初値が公開価格を下回ること)が発生しなければ、(手数料は考えないとして)損はしません。つまり公募割れするかしないかの見極めが最も大事。私は、公募割れしないと思った銘柄には積極的に参加しています。初値予想は、資金の都合で全ての抽選に参加出来ない場合に、優先順位をつけるために私は予想しています。

IPOの概要は以上ですが、以下で詳細をまとめていきたいと思います。

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IPOの日程・スケジュール

上場日 2016年6月15日(水)
仮条件決定日 2016年5月27日(金)
ブックビルディング期間 2016年5月31日(火)~2016年6月6日(月)
公開価格決定日 2016年6月7日(火)
申込期間 2016年6月8日(水)~2016年6月13日(月)

※証券会社によってはスケジュールが多少ずれる場合があります。ご注意を。

メモ抽選にはいつ参加できる?

各証券会社によっても違いますが、ざっくり前期型と後期型に分かれます。前期型はブックビルディング期間に抽選申込、公開価格決定日あたりで抽選というパターン。後期型はブックビルディング期間にブックビルディング、申込期間に抽選申込、申込期間終了後に抽選というパターンが多いです。

株式情報

売買単元/価格

売買単元 100株
想定価格 5,030円
仮条件 5,030円~5,400円
公開価格 5,400円

メモブックビルディングの価格はいくらで抽選対象になるの?

仮条件の上限の価格で参加すれば抽選対象になります。成行が指定できる場合は成行でも抽選対象になります。

なぜかというと、抽選対象となるには公開価格以上の希望価格を指定しなくてはならないので、確実に抽選対象となるには上限の価格を指定する必要があるためです。最近ではほとんどの場合、公開価格は仮条件の上限の価格になります。

株式数/時価総額

上場時発行済株数 1,259,000株
公募株数 95,000株
売出株数 129,000株
オーバーアロットメント株数 33,600株
その他株数(海外募集等) 0株
売出人 新居 佳英(95,000株)、鎌田 和彦(27,000株)、廣末 紀之(5,000株)、平井 誠人(2,000株)
公開比率 20.5%
売出比率 57.6%
時価総額(想定価格ベース) 約63.3億円
時価総額(公開価格ベース) 約67.9億円

メモ公開比率・売出比率って何?

公開比率とは、公募・売出株数が上場時発行済株数に占める割合です。要はIPOで今まで非公開だった株がどれ位の割合で公開されたか、ということ。初値を決める最大の要因は需給。公開の割合が低い方が供給が抑えられ希少性が高いということを意味しますので、公開比率は低い方が好感される傾向にあります。

売出比率とは、売出株数が公募・売出株数に占める割合です。IPO以降の新しい株主は基本的にその銘柄の将来性に期待して株を買う訳なので、上場のタイミングで大量の株を売り出すのは、将来性を疑われる行為。売出人がその銘柄に将来性を感じているなら保有し続けた方が得なはずですからね。という訳で売出比率は低い方が好感される傾向にあります。

株式指標

1株あたり利益(前期) 55.19
1株あたり利益(予想) 181.22
PER(予想・想定価格ベース) 27.8
PER(予想・公開価格ベース) 29.8
1株あたり純資産(前期) 224.71
PBR(前期・想定価格ベース) 22.4
PBR(前期・公開価格ベース) 24.0
1株あたり配当(予想) 0
配当利回り(予想・想定価格ベース) 0.00%
配当利回り(予想・公開価格ベース) 0.00%

企業情報

事業内容/詳細

HR(Human Resources=企業の人的資源)事業を展開。セグメントは単一セグメント。

主力サービスは、IT/Web/インターネット業界を主なターゲットとする成功報酬型求人メディアGreenで、「ビッグデータ解析等のテクノロジーを駆使することによって、求職者と求人企業の最適なマッチングを実現するプラットフォーム」とのこと。ビッグデータはキーワードとしては良いですね。

新規事業としてサービス開始しているのは、タレントマイニングサービス「TalentBase」ビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」の2つ。

参照有価証券届出書(新規公開時)|株式会社アトラエ|EDINET

当社は、「世界中の人々を魅了する会社を創る」をビジョンに掲げ、ビッグデータの解析をはじめとしたテクノロジーを駆使することでHR領域(Human Resources=企業の人的資源)に変革を起こし、従来の人材サービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供(下記「①成功報酬型のビジネスモデル」及び「②ビッグデータの活用」等による価値の提供)するべく事業活動を行っております。

当社が提供する主要なサービスは以下のとおりです。当社は、HR事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しております。

(1)成功報酬型求人メディアGreen
当社の主力サービスである成功報酬型求人メディアGreen(以下、「Green」という。)は、ビッグデータ解析等のテクノロジーを駆使することによって、求職者と求人企業の最適なマッチングを実現するプラットフォームです。

①成功報酬型のビジネスモデル
当社は、求人メディアとしては業界に先駆けて成功報酬型の料金体系を導入しました。

②ビッグデータの活用
成功報酬型というビジネスモデルの特性上、求職者と求人企業の採用プロセスに関するあらゆるデータを保有していますどのような職務経歴、専門能力、経験年数の求職者が、どのような業種、職種、規模、社風の企業にアプローチを行ったか、書類選考を通過したか、何次面接まで進んだか、内定もしくは入社まで至ったか、といった求人企業の採用活動または求職者の転職活動に関するあらゆるデータが蓄積されています。。

この蓄積されたデータを解析することによって、転職を考える求職者には最適化された求人情報を、採用を考える求人企業には最適化された求職者情報を届けられるレコメンドシステムを実現しており、書類選考通過率の向上に努めております。

③IT・Web業界をターゲットとした求人メディア
当社の主力サービスであるGreenは、IT・Web業界において採用ニーズの高いエンジニアやWebデザイナー等が多く登録する求人メディアです。またGreenを利用して採用を行った求人企業のうち、約9割がIT・Web業界に属しています(平成27年9月期)。

(2)新規事業
当社は、長期に渡り成長し続ける組織であるために、複数の事業を収益化させ、発展・拡大させていくことが極めて重要だと考えています。

本書提出日現在、開始しているサービスはタレントマイニングサービス「TalentBase」(以下、「TalentBase」という。)及びビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」(以下、「yenta」という。)です。

TalentBaseは、ビジネスパーソンのプロフィールデータやソーシャルメディア上のアクションデータ等を保有するデータベースです。データベースを解析することにより、個人ユーザーの能力、志向、人間関係等を抽出することが可能となります。TalentBaseのデータベースは、今後展開する複数の新規サービスの基盤になるものと考えております。

また、TalentBaseが保有するデータベース及び解析アルゴリズムを活用し、ビジネスパーソンに出会いの機会を提供するスマートフォンアプリyentaを平成28年1月にリリースしております。yentaは、完全審査制のもと、ビジネスパーソン同士の様々な目的(採用、転職、情報交換、情報収集、人脈形成、営業活動等)での出会いを実現するスマートフォンアプリです。yentaは、現在無料で提供しておりますが、今後一部の個人ユーザーに対する有料課金を検討しております。

その他の詳細は下記の通り。

代表者の役職氏名 代表取締役 新居 佳英
本店所在地 東京都港区三田一丁目10番4号
設立年月日 2003年10月24日
監査法人 有限責任監査法人トーマツ
従業員数 23人(平均臨時雇用者数1人)
平均年齢 27.6歳
平均勤続年数 3.7年
平均年間給与 467.6万円

業績

売上・経常利益は右肩上がりの傾向。

四季報が予想する業績予想の記事はこちらから見ることが出来ます。

IPO幹事団/証券会社への割り当て数

引受株式数はそれぞれ下記のように各証券会社へ割り当てられました。

引受株式数 割り当て割合
大和証券(主幹事) 219,600株 98.04%
SMBC日興証券 2,200株 0.98%
いちよし証券 1,100株 0.49%
岩井コスモ証券 1,100株 0.49%

上記引受株式数のうち、2,000株を委託に回すとのこと。

ロックアップ/上位株主TOP10

既存株主にはロックアップ(90日or1.5倍)がかかっており、非ロックアップ株数は概算で72,000株(上場時発行済株数の5.72%)。公募・売出・OA等が上場時発行済株数に占める割合である公開比率が20.5%なので、73.82%くらいがロックアップでカバーされてる感じだと思います。

上位株主は軒並みカバーされてました。ベンチャーキャピタル・ファンド系も不在のようです。

以上、総合的に考えて、初値形成時の既存株主からの売りは、1.5倍になるまでは、気にする必要はないと思います。なお、下記表の所有割合は有価証券届出書に記載されたもので、上場時発行済株数が分母ではありません。

所有株式数 所有割合 ロックアップ
株式会社ラウレア 380,000株 29.32% 90日or1.5倍
新居 佳英 340,000株 26.23% 90日or1.5倍
鎌田 和彦 270,000株 20.83% 90日or1.5倍
菊川 暁 108,000株 8.33% 90日or1.5倍
平井 誠人 57,000株 4.40% 90日or1.5倍
廣末 紀之 30,000株 2.31% 90日or1.5倍
羽根 正哲 30,000株 2.31% 90日or1.5倍
平井 大策 3,000株 0.23% 90日or1.5倍
渡邊 昌資 3,000株 0.23% 90日or1.5倍
大沼 健哉 3,000株 0.23% 90日or1.5倍

メモロックアップとは?

IPO承認以前からの株主だからといって、上場後に自由に株を売ることが出来るとは限りません。上場後、既存株主がバカスカ売ったら供給過剰で爆下げなんてこともあり得ます。購入検討者からすると、これは怖い事態。

そんな不安を和らげるためにあるのがロックアップという措置。一定の条件(期間や価格の上昇等)を満たさない限り売りませんよ、という契約を既存株主と交わすことをロックアップと呼びます。で、ロックアップがかかっている株数が多ければ多いほど、供給が抑えられ株価の上昇が期待できる訳です。逆に、ロックアップの条件を満たしたら大量の売りが出てくる可能性もあるということ。

初値予想

公募割れの可能性

公募割れの可能性は低いと思います。

IPO相場の傾向(2016年2月~4月)という記事で書きましたが、株価に関係なく初値で買いに来る資金は、約2.5億円~約5億円程度と推測しています。2社同時上場で半分になっても約1.25億円は入ってくると思います。

また、もう片方のホープ(6195)の吸収金額(想定価格ベース)が約4.3億円、アトラエが約12.9億円で合計約17.2億円。2016年実質1発目のはてな(3930)の初値形成時に約18.0億円の買いが集まったことを考えれば、こなせる規模だと思います。

吸収金額(想定価格ベース) 約12.9億円
吸収金額(公開価格ベース) 約13.9億円
推定初売最大金額(想定価格ベース)*1 約16.5億円
推定初売最大金額(公開価格ベース)*2 約17.7億円
非ロックアップ比率(概算)*3 5.72%

*1 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を想定価格で掛け算
*2 公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数を公開価格で掛け算
*3 売出人の株数は非ロックアップの場合、売出数を引き算

メモ吸収金額・推定初売最大金額って?

吸収金額とは、公募や売出などで新規公開される株数を想定価格や公開価格で掛け算したもので、新規上場の規模をつかむための数字です。IPO投資において、私はこの数字を重要視しています。なぜなら初値を決める最大の要因は需給。供給(売り)の規模を示すこの数字はとても重要と考えるからです。ま、新規公開される株が全て売られる訳ではないですけどね。それでも規模感をつかむには適していると思いますよ。

推定初売最大金額は、非ロックアップの株数から既存株主から出そうな最大の売り金額を推定、吸収金額に足したものです。他ではあまり見ない数字だと思いますが、これも供給の規模感をつかむために計算しています。

初値予想/私の抽選参加スタンス

初値は公開価格の2倍以上と予想。私の抽選参加スタンスとしては全力参加の予定です。

初値予想(承認時) 2倍以上
初値予想(仮条件決定時) 2倍以上
抽選参加スタンス(承認時) 全力参加
抽選参加スタンス(仮条件決定時) 全力参加

抽選結果

全滅でした。

上場結果

2016年6月15日(水)、上場の日を迎えました。

初日の状況は、前場が開く直前、8:59の買い気配は13,000円(55,800株の気配)くらい。公開価格が5,400円ですので、約2.40倍。金額にすると約7.2億円の買い需要。初日の上限12,420円を超えてきましたねー。

前場が開くと9:00ちょい過ぎに見たところでは5,400円に43,500株の売り気配。公募割れ回避には約2.3億円が必要だったということになりますが、これは全く問題なし。

朝は2日目持ち越しになるか?と思われましたが結局初日に寄り、後場14:09に初値がつきました。初値は12,720円。公開価格比で約2.36倍。初値形成時の出来高は149,900株で、約19.0億円の買い需要が発生。

2016年先頭バッター(実質)のはてな(3930)が単独上場で約18.0億円の買い需要でしたから、イギリスのEU離脱懸念で市況が急速に悪化している中、それほどIPOからは資金が逃げていない感触。同日上場のホープ(6195)は約7.3億円の買い需要。2016年2番バッター(実質)のバリューゴルフ(3931)の約8.7億円に近いですね。

値がついた後の値動きはというと、直後の14:11に最高値(14,500円)をつけた以降は軟調。値段は下降していき終わり間際14:56に最安値(10,800円)。終値は少し戻して11,340円。

初値がらみの数字を整理すると下記の通りです。

初値 12,720円(公開価格比:約2.36倍)
終値(初値の当日) 11,340円
高値(初値の当日) 14,500円
安値(初値の当日) 10,800円
出来高(初値時ティック) 149,900株
出来高(初値の当日) 437,200株
初売比率(公募・売出ベース)*4 58.19%
初売比率(公募・売出+非ロックアップベース)*5 45.48%
買い需要(初値形成時) 約19.0億円
売買代金(初値の当日) 約54.1億円

*4 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計で割り算
*5 初値時ティックを公募・売出・OA・その他株数計+非ロックアップ株数で割り算